約 6,315,825 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/442.html
リリカルなのはGX 第??話「最強の魔法使いデッキ」 「俺のターンドロー!」 遊城十代は、左腕に付けたデュエルディスクからカードを引いた。 デュエルの相手は、コスプレなのだろうか白いショートコートにミニスカートな格好の女性だ。 「俺は、E-HEROスパークマンを召喚!カードを一枚伏せターンエンド」 十代のターンが終了し、白服の女性のターンが来る。 「私のターン…ドローなの!私は、ティアナ・ランスターを攻撃表示で召喚!」 現れたのは、二丁拳銃を持ったツインテールの女性だった。 「ティアナ・ランスター攻撃力1650・防御力1200のモンスターか」 「私は、カードを一枚伏せティアナで攻撃!」 『クロスファイヤーシュート!』 白い服を着た女性なのはの攻撃宣言により攻撃を開始するティアナ。 「そうは行くか!トラップカードオープン!」 十代が伏せていたカードは、トラップカード・ヒーローバリアだった。 「ヒーローバリアの効果で、E-HEROへの攻撃を無力化する!」 「私のターンは終了よ」 「そんじゃ、俺のターン…ドロー!俺は、手札のE-HEROクレイマンと場のスパークマンを融合! 現れろ、E-HEROサンダー・ジャイアント!」 十代の持つ融合のカードで現れたのは、雷をまとった巨大なヒーローだった。 「サンダー・ジャイアントの特殊効果発動!ヴェイパー・スパーク!」 その効果で場にいるティアナは、激しい雷に撃たれ破壊される。 「キャァー!」 「ティアナ!」 ティアナが破壊され、少し表情が曇るなのは。 「ザンダー・ジャイアントの攻撃は終わってないぜ!行けぇぇぇ!ボルティック・サンダー!!」 攻撃力2400のダイレクトアタックが決まり、なのはのLPが1600まで削られてしまう。 「くっ、罠カードオープン、魂の綱!1000ライフポイントを払うことでデッキから☆4以下のモンスターを特殊召喚!」 現れたのは、守備表示のフェレットだった。 「(ん?トラップのタイミングミスか。サンダー・ジャイアントの攻撃時に召喚すればダメージを受けずに済んだのに)」 十代が、そんなことを考えているとデュエル相手の女性が話しかけてくる。 「十代くん、バトルフェイズが終わったけどターン終了はまだかな?」 「あ、えーと、カードを1枚伏せターン終了だ」 十代がターン終了を宣言したのを聞いたなのはは、カードをドローする。 「私は、ユーノくんの効果でライフを500回復」 なのはが表側守備表示で出していたユーノくん攻撃力500守備力2050は、 スタンバイフェイズに一度ライフを500回復させる効果がある。 「そして、ユーノくんを生贄にフェイトちゃんを召喚!」 生贄召喚されたのは、☆6つの上級モンスターフェイト・T・ハラオウンと言う女の子だ。 攻撃力2500守備力1500の魔法使い族だ。 「すげぇぇぇ!そんなカードがあるなんて、翔が見たら喜びそうだなぁ」 「そして、装備カード・使い魔の援護を発動!この効果で攻守700ポイントアップ!」 攻撃力3200と成ったフェイトには、更なる効果があった。 「フェイトちゃんで、サンダー・ジャイアントを攻撃!」 「バルディッシュ!」 『Haken Saber』 金色の刃が黒い斧杖から発射され、サンダー・ジャイアントを切り裂き破壊する。 「ぐっ」 十代のライフは800削られLP3200となった。 伏せカードを使おうと考えた十代だったが、サンダー・ジャイアントの破壊前に使えなかったのだ。 「何故、伏せカードが使えないんだ?」 「フェイトちゃんの効果なの。一ターンに一度相手の場の伏せカードを1枚封じるの」 「すげぇ効果」 「そして、カードを1枚伏せターン終了なの!」 なのはの出した少女にサンダー・ジャイアント破壊されながらも、楽しくて仕方がない十代。 「ドロー!俺は、フレンドッグを守備表示で召喚!そして、カードを1枚伏せターン終了」 十代は犬型機械族モンスターを召喚し、伏せカード2枚目をセットしターンを終了した。 「私のターン、ドローなの!」 彼女は引いたカードをほほ笑む。 「私は、儀式カード・白き戦神を発動なの!☆8以上のモンスターを生贄に…出でよ!高町なのは!!」 手札のクロノ・ハラオウン☆8を儀式のコストとし、☆8の儀式モンスター・高町なのはを召喚したのだ。 その攻撃力は3200、守備力は2800と凄まじい。 「さぁ、私の攻撃!フェイトちゃんでフレンドッグを攻撃!ハーケン・セイバー」 金色の刃によって切断されるフレンドッグ。 「フレンドッグの効果発動!墓地に送られた時、墓地のE-HERO1体と融合を手札に加える」 「まだ、私のバトルは終わってないの!ディバイーン・バスター!!」 『Extension』 凄まじいピンク色の光が十代を襲う。 「伏せカードオープン!」 「フェイトちゃんの効果で1枚封じるよ!…そのカードを封じるわ」 「ラッキー!俺が発動するのはこっちだ!」 なのはが封じたのは融合解除だったのだ。 十代が発動させたのは、もう一つの方だった。 「ヒーロー・シグナルで、デッキからE-HEROを特殊召喚する!現れろ、バースト・レディ!」 炎のヒーローE-HEROバースト・レディが守備表示で召喚された。 なのはの攻撃は、バースト・レディを粉砕する。 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3496.html
ブレイクブレイド StrikeS クロス元:ブレイクブレイド 第1話「異界再起」 第2話「聴取混乱」 第3話「勧誘争奪」 第4話「閑話歓談」 第5話「訓練観戦」 第6話「錬後捜索」 第7話「会食外食」 第8話「権勢考察」 第9話「入局試験」 第10話「開発難儀」 第11話「反逆再来」 第12話「設立前夜」 第13話「突発戦闘」 第14話「同形異形」 第15話「新器琢磨」 第16話「強制対話」 第17話「埋腹雌伏」 第18話「初陣出撃」 第19話「難敵遭遇」 第20話「縦横無尽」 第21話「想像不明」 第22話「嫌疑開戦」 第23話「公私混同」 第24話「邸内探索」 第25話「作戦誤読」 第26話「難敵遭遇②」 第27話「内部疾患」 第28話「早朝訓練」 第29話「一触即発」 第30話「心傷回想」 第31話「降雨固地」 第31.5話「人参日記」 第32話「日常回帰」 第33話「休日騒動」 第33.5話「表紙登場」 第34話「四戦連戦①」 第34.5話「人参日記②」 第35話「四戦連戦②」 第36話「四戦連戦③」 第37話「四戦連戦④」 第38話「経歴詐称」 使用デバイス設定 コメント欄です。感想などありましたら、よろしくお願いします。 果たして上手く編集できているのだろうか? -- テスト (2010-08-05 01 38 14) ジルグ無双を期待します~ -- デルトン (2010-08-06 00 22 36) おもしろいです。 自分の判断で動く、ジルグらしい行動にわくわくします。 今後も楽しみにしています。 -- のと (2010-08-08 23 48 57) シャーリーは八神部隊長と呼んでいた筈。 -- 名無しさん (2010-08-09 22 56 11) ↑こういう指摘はすごく助かるのでありがとうございます 結構自分でもあやふやな部分もあるので -- ブレブレ×なのは (2010-08-09 23 21 32) ならば私も、フェイトは、はやてって呼び捨てにしとる。14話でもシャーリーがはやてちゃんと言ってる -- 名無しさん (2010-08-11 22 57 54) おもしろいブレブレとクロスさせキャラがジルグってところがさらに坪です -- 名無しさん (2010-08-14 16 13 00) いやあ、良いですね。面白いです。 ただ、チンクの口調が違うので違和感が。 -- れんが (2010-08-14 16 16 42) ジルグ様が見てるw -- デルトン (2010-08-15 17 27 12) 居酒屋の方にってお前らまだ未成年だろ。 -- 名無しさん (2010-08-16 23 06 01) 個人的に繋がりが深い人間で周りを固めた癖に良く言うよ。 -- 名無しさん (2010-08-21 22 19 24) コメント等にあったりそれ以外に読んでくださる人達が疑問に思っている点に関しては 一応既に展開を考えていますのでお楽しみに -- ブレブレ×なのは (2010-08-21 23 30 21) 実際誰がジルグに頭突きをくらわすのかそれが楽しみです。 -- 名無しさん (2010-08-22 02 21 52) 作戦だったとハッキリ言ったのにミスと報告した!? 嘘つきヴィータめ……。 -- 名無しさん (2010-08-24 20 59 36) 最後まで抵抗しなかったティアナも悪いが、なんなの隊長達……。気持ちの悪い偽善者ばっかり。 -- 名無しさん (2010-08-25 23 03 36) アギトは、ゼストを旦那って呼んでるよ -- 名無しさん (2010-08-25 23 14 58) ジルグさん、パネぇです。カッチョよすぎっす。 P.S デバイスの開発に何々社とか出るようになったらお仕舞いだと思うっす。 -- LCS (2010-08-28 00 47 41) 腰巾着ザマァwww -- 名無しさん (2010-08-28 09 28 03) ジルグさんが六課一の常識持ちな真人間に見えてしまうw -- 名無しさん (2010-08-28 14 21 26) ジルグ良いこと言った! 『お友達部隊』全くその通り!! -- 名無しさん (2010-08-28 21 01 31) ジルグさん、なんかカッコよすぎる。にしても、機動六課の実態が見えてくるな -- 名無しさん (2010-08-28 21 25 26) アグスタのアレは未だにミスショット扱いなんだな。デバイスの記録を調べれば作戦だと伝えたことが判るはず。そしたら結果的に嘘報告をしたヴィータの立場は……。 -- 名無しさん (2010-08-29 05 02 46) はやてが手近な人間しか集められなかったとはいえ公私混同の甚だしい部隊。普通、教練戦闘前にはブリーフィングを行って部下に的確な指導をしなければいけないのに、明らかになのはは注意事項の示達を怠っている。まぁ19の小娘に其処まで求めるのは酷だが、ティアナが可哀想である。 -- 名無しさん (2010-08-29 05 22 10) シグナムなんか戦闘以外は不得手だとかで普段はニートを決め込んでるくせにエラソーに -- 名無しさん (2010-08-29 13 39 51) この問題はどちらかが一方的に正しいとか間違ってるとかいうことではないと思う。ただ、ヴィータやシグナムを始めとした周囲の人間が「なのはさんが正しい」って姿勢だから話が拗れるんだよな。 -- 名無しさん (2010-08-29 21 17 49) ↑、正にその通り。 -- 名無しさん (2010-08-29 22 54 53) まぁ普通、話しもしない事をわかってると思うのは間違ってるよなぁ…。これも第三者視点から見てると歪みと矛盾しかない話だし -- 名無しさん (2010-08-30 00 23 38) しっかしなのはの過去のはオーバーワークの無茶、今回のティアナのは戦闘行動での無茶、この2つは別問題なのではないだろうか? -- 名無しさん (2010-08-30 14 03 34) 若さ故の過ち。しょっぱい青春やってるんだよね。 -- 名無しさん (2010-08-30 21 09 33) なのはクロスまとめサイトなんだからsts批判はどうかと。そういうところでそういう発言はやるべき。 -- 名無しさん (2010-08-31 17 22 06) ゴーレム創成とオートスフィアとデバイスの各種技術を上手く使えばブレブレのゴゥレムの類似品作れそうな気がする。 -- 名無しさん (2010-08-31 22 10 53) そう言えばリオだかコロナが造ってたな -- 名無しさん (2010-09-01 22 11 00) 戦闘スタイル云々というより性格だよな。ジルグにしたらヴィータほど扱い易いヤツはいないわな。 -- 名無しさん (2010-09-02 22 13 07) 2話が消去されてる?見過ごしてたらすいません -- 名無しさん (2010-09-03 15 49 33) ブロントさんwww -- 名無しさん (2010-09-03 18 35 54) ↑↑すみません。修正依頼が反映されたらしいので繋がらなくなっていたので修正しました。 -- ブレブレ×なのは (2010-09-03 20 18 40) って言うか改めて考えると、なのはとティアナのスタイルって、まったく違うのになんで教えてんだ?ジルグが教えた方が良いんじゃないの。 -- 名無しさん (2010-09-04 22 50 30) それ言ったらティアナだけでなく、スバル・エリオ・キャロだって自分のスタイルと合った教師に師事できてないぞww召喚士のキャロなんて特に。 -- 名無しさん (2010-09-06 21 23 46) 六課って単純バカばっか。戦ってばかりだから頭に血が上りやすいんだきっと。 -- 名無しさん (2010-09-06 21 57 28) 教導隊なんてそんなもんだぞ(苦笑) 今回の話でフェイトさんの口調に違和感しか沸かなかったのは自分だけだろうか?具体的にはリンディさんだと言われれば納得できる程度に。あと『プラズマスマッシャー』が『プラズマスラッシャー』になってる。 -- 名無しさん (2010-09-06 23 40 30) 1分の1エルテーミス型デバイスの製作はいつ始まるのですか。 -- 名無しさん (2010-09-06 23 49 42) フェイトの口調が気になる… フェイトの口調は「〜だわ」とかじゃなく「〜だね」って感じだと思う -- 名無しさん (2010-09-06 23 52 04) なのはを慕う昔の教え子とか出てこないのかなあ。 -- 名無しさん (2010-09-08 13 02 54) ↑出るのは難しいと思うぞ?なのはのいる教導隊は本局付きだろうし。 -- 名無しさん (2010-09-08 23 39 20) 地上にだって本局の部隊は山ほどあるようだけど。 -- 名無しさん (2010-09-09 10 59 07) なん、だと・・・!?wiki&三期見直してくる -- 名無しさん (2010-09-10 02 29 31) そういえばシグナムは6課の前は首都航空隊第14部隊で副隊長を務めてたな。 -- 名無しさん (2010-09-10 21 25 20) なんというか……試合に勝って勝負に負けたみたいな? 鬱憤を晴らすことばかり考えて、肝心の模擬戦をする意味忘れてどーすんだwww -- 名無しさん (2010-09-25 12 44 53) 既に下地ができていたとはいえ、自分の中の高町なのはのイメージを再現していると言って言う内容でした。善意の押しつけ、自分の考えているやり方が絶対正しいと思い込み悪意が無い分たちが悪い。しかしながら読んでいる側としてある意味想像通りの展開でグッジョブ!!です。あんな惨状を作り出しておいて、得るものがあった?って……フォワード陣の反応は人として正しい反応。 いい加減過剰なスキンシップを改めないと。シグナムも(お友達)の時に関してのみ、饒舌になるな(笑い 色々なSS読んできましたが、六課の矛盾を真っ向から批判してくれるこのような作品が一番好感を持てます。 書き続けてくださる限り、読ませていただきます。 PS個人的には高町なのはは、無印の頃から子供にしては過激思想の持ち主だと思うのは自分だけでしょうか? 白い悪魔じゃなくて既に、白い大魔王でしょ。 大切なもの?あったの?と思うのは自分だけでしょうか? -- hiro (2010-09-27 23 32 14) ジルグさんは何歳だ?19歳以下ならDGSAに出場して欲しい。 -- 名無しさん (2010-09-28 12 58 26) 極端な話、彼女には戦力の99パーセントを占める一般兵士の気持ちはわからないと思う。 それだけ力がありすぎるということ。 フェイトやはやては・・・ブレーキ効くからいいけど。 -- 名無しさん (2010-09-29 10 32 13) まぁなまじユーノの指導でそれなりの地力つけちゃったせいで正規の訓練受けてないからなぁ…野戦任官みたいなもんだから仕方ないかもしれないな -- 名無しさん (2010-09-29 20 01 10) なのは「細かいことで叱ったり怒鳴りつけてる暇があったら、模擬戦で徹底的にきっちり打ちのめしてあげるほうが教えられる側は学べることが多いって。教導隊ではよく言われてるしね」 教導隊流として代々培って出来たやり方なんだから、なのはが正しいんだよ。 -- 名無しさん (2010-09-30 23 29 43) ほぼ全編を通して、なのはのキャラが歪んでいるような気がするのですが、ブロント語などと同様にコメディと捉えた方がいいのでしょうか。 StSに矛盾を覚える人は少なくないかと思いますが、クロスキャラの口を借りてやり込めるだけでなく、一緒に変わっていけるといいなと感じました。 できれば太鼓持ちや驚き役、やられ役でなく、ジルグの新たな戦友として。 -- 名無しさん (2010-10-01 23 42 55) ジルグの年齢が17話でせいぜい二十代半ばってあるけど、(享年)19歳じゃね。ところで最終更新何時なんだろうか。 -- 名無しさん (2012-01-11 10 43 31) 今でも更新待ってるよ! -- 名無しさん (2012-01-30 18 25 02) 更新ありです -- 名無しさん (2012-12-28 14 17 28) 名前 コメント TOPページへ このページの先頭へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/441.html
第?話 正義の味方?参上 今までに確認されたことのない魔力が発生したため確認にいくなのは。 そこには一人の男が立っていた。 男は赤く長い髪をたなびかせ奇抜なデザインの白と黒のロングコートを着ていた。 そして極めつけは顔の半分以上を隠す白いドラゴンの形をした兜を被っていた。 なのはは男に尋ねた。 「あなたは誰なの?」 「いいだろう、教えてやろう!俺は」 男はどこか威厳のある声で名乗った。 「正義の味方カイバーマンだ!!」 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1033.html
このSSを、リリカル遊戯王GX氏に捧ぐ。 リリカル遊戯王GX番外編 「最強! 華麗! 究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)~前編~」 古代エジプトには、「三幻神」と呼ばれる精霊がいた。 「オシリスの天空竜」、「オベリスクの巨神兵」、「ラーの翼神竜」の3体である。 無論、歴史に名を連ねる強力な精霊・魔物は、何もその3体だけではない。 ファラオの守護者たる「幻想の魔術師」しかり、王宮の守護神たる「エクゾディア」しかりである。 そして、純白の鱗と青き瞳を有した幻獣――「白き龍」もまた、しかり。 ――ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーッ!!! 耳をつんざく咆哮に、スバルは身を震わせる。 動けなかった。 何がそうさせるのか。思い当たる要素はいくらかあるが、それすらも動機としては不十分だった。 要するに、空気なのだ。 目の前の「それ」がまとう空気が、過去に味わったことのない根源的な恐怖となって、スバルの身に降り注いだ。 横に立つ相棒のティアナが、その場にへたり込む。 向けられたのは、圧倒的なまでの存在感と、冷徹なまでの殺意。 それら全てが恐怖という形で、彼女らの全身に満ちてゆく。 上空を見た。 「それ」と対峙するのは、管理局の2人のエース。 どんな困難にも迷うことなく立ち向かう、高町なのはとフェイト・T・ハラオウン。 だが。 震えていた。 なのはの白いバリアジャケットが。 何者にも屈せぬはずのエース・オブ・エースの身体が、今は目の前の「それ」の放つ恐怖に当てられ、ただの娘同然に震えていた。 純白の鱗と青い瞳を輝かせる、3つの頭を持った「白き龍」を前に。 この状況に至るまでの経緯を説明するには、少々時間を遡らねばなるまい。 ちょうどレイが重傷を負って倒れた直後のこととなる。 きっかけは、外を見張っていたオブライエンが、「おかしな奴がいる」と皆に報告したことだった。 深夜のデュエルアカデミアを訪れたその男は、白いコートに身を包み、頭には妙なマスクをかぶっていた。 「あ、アンタ、カイバーマンじゃないか!?」 そしてその男は、十代の知り合いだった。 (…何だかおかしな人だね…) (ツッコまないでおいてあげよう、なのは…) なのは達はこの男――カイバーマンのセンスにまるでついて行けず、奇異な視線で彼を見つめていた。 それも当然である。「正義の味方 カイバーマン」は普通の人間ではない。デュエルモンスターズの精霊だ。 「そういえば、そんなカードもあったわね…」 奇抜な格好ばかりに気を取られて、すっかり存在を失念していた明日香が呟く。 明日香のようなデュエリストでさえも存在を忘れていたのは、何もカイバーマンがただの弱小カードだからという理由ではない。 その特殊効果が原因で、デッキに組み込む者がほぼ皆無と言っていいカードだからだった。 「十代、こいつのこと知ってるのか?」 当然カイバーマンには会ったこともないヨハンが尋ねる。 「ああ、2年前にちょっとな。俺以外には、翔と万丈目が会ってる」 「サンダー!」 「やっぱり夢じゃなかったんだ」 十代以外の2人は、かつてのカイバーマンとの遭遇を夢か何かだと認識していた。 デュエルの精霊の存在、出会うまでの過程…それら全てがあまりに荒唐無稽だったためである。 「…そうだ。なぁカイバーマン、アンタがいるってことは、やっぱりここはデュエルモンスターズの世界なのか?」 「知らん。気がついたらここにいた。俺もこのような場所は覚えにない」 正義の味方などという二つ名の割には、あまりに尊大で突き放すような口調でカイバーマンが返す。 「だが、俺達精霊が実体を持てるという点では共通している」 「なんだぁ…結局分からないままかよ」 精霊の世界の住人たるカイバーマンからなら、有力な情報を得られるのではと期待していた十代だが、 それも叶わずがっくりと肩を落とす。 「…確かなことと言えば…」 だが、カイバーマンは更に言葉を重ねた。 「この地には…何やら禍々しい、妙な気配が渦巻いている。それらはどうやら、貴様らに向けられているらしい」 「ひょっとして、俺達をここに飛ばした奴…!?」 「だろうな」 そこまで言うと、カイバーマンは、そのマスク越しに十代の目を見た。 竜の頭をかたどったマスクの青い目が、じっと十代を見据える。 「遊城十代…貴様には、いかに巨大な相手が立ちはだかろうと、それに立ち向かう覚悟があるか?」 強い口調で、カイバーマンが問いかけた。 対する十代は、それまで真剣な顔つきで彼を見返していたが、ふっとその顔にいつもの強気な笑みを浮かべる。 「…もちろん! 俺は誰のデュエルだって、受けてやるさ」 「ククク…ならば、もう一度俺と戦って証明してみるか?」 カイバーマンはさぞ愉快そうに笑うと、自らの左腕にはめたデュエルディスクから、1枚のカードを引き抜いた。 その手に輝くのは、白いドラゴンの絵柄を持ったモンスターカード。 「…俺の青眼(ブルーアイズ)と」 「なっ…!?」 その場のデュエリスト達に衝撃が走った。 一方、目の前のカードが何かも知らない管理局の面々は、突然の反応についていけない。 「ヨハン君、あのカードって…?」 「そっか…なのはさん達は知らなかったな。 …あのカードは、『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』…世界に3枚しかない、究極のレアカードだ」 ―青眼の白龍― 攻撃力3000 防御力2500 通常モンスター この世に生まれたのは、デュエルモンスターズの創成期。 その圧倒的なパラメータは、当時の水準ではあまりに過ぎた力だった。 故に、僅かな枚数しか生産されないうちに、その生産そのものが中止されたという。 今でもこのカードを超える通常モンスターは存在していない。だが、このカードの価値はそれだけでついたものではない。 世界最大のアミューズメント企業「海馬コーポーレーション」の若社長・海馬瀬人。 決闘王・武藤遊戯の唯一無二のライバルにして、彼と共に史上最強に名を連ねるデュエリスト。 その海馬が絶対的な信頼を置く下僕こそが、青眼の白龍なのだ。 あらゆるデュエリストのあらゆるモンスターを粉砕する、最強のドラゴン。 「三幻神」のカードがエジプトの遺跡に返還された今では、まさに世界中のデュエリスト全ての至宝だった。 「…いや、やめておこう」 ふと、カイバーマンは気が変わったのか、十代に向けた視線をそらす。 その代わりに、彼の目にとまったのは――なのはだった。 「え? 私…?」 「貴様らはただの人間であるにも関わらず、デュエルモンスターズの上級モンスター並のエネルギーを発している… …特に一際優れた貴様の力、何より戦士としての戦う意志…この目で見てみたくなった」 カイバーマンはそう言うと、後方へと後ずさって距離を取る。 広く取った間合いは、戦いのステージのつもりだろうか。 「さぁ、来るがいい異世界の女! 俺と青眼にその力を見せてみろ!」 カイバーマンは高らかに喊声を上げた。 「ええと…これは、私が出ていくべき…なのかな?」 唐突な展開についていけないなのはは、困惑しながらも足を進める。 と、それを制した者があった。 「え…」 「あたしが行きます」 その者――スバルはそう言うと、バリアジャケットを展開し、カイバーマンの前に立つ。 「貴様がやるのか?」 「なのはさんを傷つけさせたりはしない。そのドラゴンとはあたしが戦う!」 リボルバーナックルの拳を硬く握り、スバルが宣言した。 彼女は怒っていたのだ。突然現れ、なのはと戦うなどと言い出した、この男に。 「ふん…まぁいいだろう。ちょうどいい前座だ」 しかしカイバーマンは、至極余裕な様子でそう言い放つ。 「ぜ…前座ぁ!?」 余興呼ばわりされたスバルは、思わずオーバーリアクションで返した。 「見せてやろう…俺の強く気高く美しき下僕の姿を!」 「あんまり嘗めてかかると痛い目見るよっ!」 「青眼の白龍、召喚ッ!」 カイバーマンがデュエルディスクに、そのカードをセットした。 力は姿を帯びる。 人間の何倍…いや、十何倍にも匹敵する巨大な身体。全身を包む白い鱗。真っすぐに標的を見据える青い瞳。 『…ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオーンッ!』 雄たけびが上がる。 最強のドラゴン・青眼の白龍が、遂に真夜中の砂漠にその姿を現した。 「出た…!」 「青眼の白龍…実物を見るのは初めてだ…!」 デュエリスト達から次々に声が上がる。そして、その登場に驚いたのは、管理局の面々も同様だった。 「すごい…」 「こんな奴までいるんだ…」 目の前の青眼の白龍が放つオーラに、なのは達は釘付けになっていた。 全身からにじみ出る、圧倒的なまでの力。神々しささえも感じられる、純白の光。 これほどまでに強く雄雄しき存在を目にしたことがなかった。 果たしてキャロのフリード…いや、ヴォルテールでさえも、これほどの存在感を持つことができるだろうか。 「うわぁ…」 今まさに、その青眼の白龍と相対するスバルでさえ、一瞬見とれるほどだった。 それだけの絶大な存在感をもって、「白き龍」はこの世に顕現したのだった。 「ククク…どうした? 見惚れていては勝負にならんぞ」 「はっ…!」 余裕を含んだカイバーマンの声に、ようやくスバルは我に返る。 そうだ。今から自分は、この竜と戦うのだ。 スバルは気持ちを切り替えると、真っ向から青眼の白龍を睨みつけた。 見れば見るほど強そうなモンスターだ。 日中に戦ったハーピィ・レディ三姉妹の攻撃力は、サイバー・ボンテージの効果も相まって2450だったが、 こちらの攻撃力はそれすらも凌駕する3000である。 加えて言えば、スバルがティアナとのコンビネーションの末にようやく撃破した3万年の白亀の守備力ですら2100だという。 攻撃力3000。その破壊力は、最早彼女には見当もつかなかった。 故に、スバルはカートリッジをロードし、魔力スフィアを形成する。 (最初っから全力でぶっ飛ばす!) 決意を込め、その拳を振りかぶった。 カイバーマンもまた、必殺技の気配を察し、青眼の白龍へと指示を出す。 「いきなり全力か…いいだろう、気に入った! 正面から迎え撃て、青眼!」 『グオオオオオオオオオオオオオッ!』 太い咆哮と共に、青眼の白龍の口元で、青白い光がスパークする。 「ディバイィィーン…バスタァァァァァァーッ!!!」 「滅びのバーストストリィィィィィィィームッ!!!」 少女とドラゴン。双方から青い光の束が、一直線に相手目掛けて放たれた。 衝突の瞬間、 「う…うそぉっ!?」 あまりにもあっけなく、スバルのディバインバスターが押し返されていった。 一瞬の膠着もなく、青眼の白龍の放つ閃光が、無情にもスバルへと迫っていく。 「うわうわうわうわうわーっ!」 冗談ではない。こうも易々と自分の最大技を押し返してくる攻撃を喰らっては、最悪命まで持っていかれるのではないか。 故にスバルは焦った。 だが、そうしたところで既に無駄なことだ。攻撃態勢のスバルは、そう簡単に回避行動を取ることはできない。 遂に滅びのバーストストリームは彼女が立つ地面を殴りつけ、凄まじい爆発を引き起こした。 人1人などあっという間に蒸発させてしまう熱量と、周囲の十代達さえも吹き飛ばさんとするほどの衝撃波。 「ス…スバルーッ!」 ティアナが絶叫する。 死んだ。 誰もがそう思った。いくら魔導師と言えど、防御魔法も展開していない状況では、この暴力的なまでの破壊の前では無力である。 「粉砕! 玉砕! 大・喝・采ッ! ワハハハハハハハハハハハハ!」 カイバーマンが勝利宣言をする。高らかに上がる笑い声は、滅びのバーストストリームの爆音の中でなお轟いていた。 やがて壮絶な破壊の後、ようやく土煙も晴れた着弾点には、案の定何も残っていなかった。 「…ん?」 しかし、それは青眼の白龍の攻撃が、スバルの身体を残らず灼き尽くしたからではない。 カイバーマンがふと上空を仰ぐと、そこには彼女を抱える黒い服の魔導師。 「…へ? フェイト…さん?」 ようやく状況を把握したスバルは、自らを救出した者の名を呼ぶ。 「大丈夫だった、スバル?」 「あ、はい…」 間一髪、ソニックムーブでスバルを助け出したフェイトは、地上に着地すると、スバルの身体を降ろす。 「スバル!」 「よかったぁ…心配しましたよ、スバルさん!」 ティアナ達が口々に声をかけながら、死んだとばかり思ったスバルの元へと駆け寄り、無事を喜ぶ。 そんなスバル達を安堵の表情で見やると、 なのはは真剣な面持ちでカイバーマンを――その頭上に浮かぶ青眼の白龍を見据え、瞬時にバリアジャケットを展開する。 「ふん…ようやくその気になったか」 カイバーマンはすっかり待ちわびた様子で言う。 なのははそれに応えることもなく、戦闘フィールドへと歩を進める。 フェイトもそれにならい、彼女のすぐ隣へと立った。 「確かに…あの威力は、もう私が相手するしかないね」 「そうみたいね」 なのはの言葉をフェイトが肯定する。 「…少し、頭冷やさせないといけないかな?」 「許可するわ。私もそうするから」 キッと最強のドラゴンを睨むと、なのははレイジングハートを、フェイトはバルディッシュを構え、同じ高さまで昇った。 「ククク…まぁいいだろう。だが、貴様ら2人がかりでは、流石の青眼もただでは済むまい… …そこで、俺はこれを使わせてもらう!」 カイバーマンが新たに引いた3枚のカード。そのうち1枚は… 「マジックカード・融合を発動!」 「まさか!?」 青眼がフィールドに立っている状態で、更にモンスターを2体追加した上での融合。 その条件から導き出される最悪の結果に、明日香は信じられないといった様子の声を上げる。 「そのまさかだ。奴のデッキは、あの海馬瀬人のデッキと同じ…つまり、奴のデッキには…」 万丈目の声と、残り2枚のカードを表へと向けるカイバーマンの動作が重なる。 「青眼の白龍が、3枚入っているんだ!」 「今こそ融合せよ、青眼!」 カイバーマンが号令した。 2枚のカードから、更に2体の青眼の白龍が飛び出し、既に出現していた1体と共に天空へと羽ばたく。 3体のドラゴンの身体が強烈な光を放ち、やがて光そのものとなり、複雑に混ざり合う。 雷鳴が鳴った。 暗雲が渦巻いた。 3つの光は1つの巨大な光となり、青眼の白龍さえも優に凌ぐ、絶対的な力の権化を降臨させる。 「強靭! 無敵! 最強!」 カイバーマンが、力をこめてその名を叫ぶ。 「これぞ我が下僕の究極なる姿…青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)!」 ――ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーッ!!! 咆哮が轟いた。 ―青眼の究極竜― 攻撃力4500 防御力3800 融合モンスター 小山のような巨体。白い鱗に青い瞳。地獄の番犬を彷彿とさせる、3つ並んだ竜の首。 これこそ、青眼の白龍の究極形態。史上最強の殺戮兵器。 最強のドラゴンたる青眼の白龍。それを3体も束ねた存在だ。であれば、その力は最早神にも等しき存在なのではないか。 究極竜は語る。 言葉ではなく、気配で。 圧倒的なまでの存在感と冷徹なまでの殺意が、強烈な恐怖の刃となって、その場の者達を容赦なく貫く。 幾多のデュエルを切り抜けてきたデュエリスト達でさえ、その迫力に、ただただ打ち震えていた。 目の前の青眼の究極竜は、紛れも無い本物。 ソリッドビジョンなどでは到底伝わらない、本物の存在感が、デュエリスト達の身を震わせる。 そして、それを眼前で見せ付けられたなのは達の心境は、いかなるものであっただろうか。 恐怖。 今までのありとあらゆる戦場でも経験してこなかった、圧倒的なまでの恐怖。 自分の腕には自信があるはずだった。 しかし、このドラゴンの前では、それにいかほどの意味があるだろう。 防御魔法は障子程度の壁にしかなるまい。通常の魔力弾など豆鉄砲ほどの価値もない。 ありとあらゆるものを蹴散らす、暴力的な力。 エース・オブ・エースの身体が、小刻みに震えていた。 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
https://w.atwiki.jp/nanoha_data/pages/33.html
魔法少女リリカルなのは 魔法少女リリカルなのはA's 魔法少女リリカルなのはStrikerS StrikerS SoundStage X 魔法少女リリカルなのはViVid 魔法戦記リリカルなのはForce 魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st 魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE BATTLE OF ACES-
https://w.atwiki.jp/tmnanoha/pages/24.html
AMF内―― 幾重にも施された結界により 飛行能力を封じられた高町なのはの前に立ちはだかる法衣の男 死力を尽くした戦闘は、既に2時間にも及んでいた 尋常ならざる相手――瞬き一つで絶命させられかねない―― 目の前の男に高町なのはは かつて無い戦慄を覚える 自分より強い敵なんていくらでもいた 武装隊、そして戦技教導隊での過酷な鍛錬 どのような強大な敵を前にしても、恐れない………恐れないだけの事をしてきたつもりだった 「貴方が今までどんな思いをして生きてきたのか、私は知らない… しかし、それでもいつものように戦えない焦燥感 AMFや空戦を封じられたという戦力的なものでは断じてなかった 高町なのはは混乱していた 目の前の男は自分を「悪」と断じている 他人の不幸が愉悦とまで 倒すべき悪に違いない相手……彼を放っておけば、間違いなく多くの人が災厄に見舞われる 故に倒す……救うために 正しい事をしてる、迷いもない、いつもと同じだ なのに――― 「もし貴方が、不幸な過去を背負っていて それで歪んでしまったのならば 私達の言葉は、今は甘い戯言に聞こえるのかも知れない…… 」 彼女は、目の前の男を計れないでいる 今まで会った敵や犯罪者、「狂気」 「悲しみ」 「憎しみ」 歪んだ思いを抱いたものに常に感じてきた負の感情 それが目の前の男から感じられない いや、不吉なのだ 不吉な気配を漂わす男なのは間違いない だが、しかし………それはどこか純粋で―― 一寸も気を緩める事なく、言葉を紡ぐなのは 「でもね……それでも歩んできた道がある!」 桃色の魔力の奔流が 気を吐くような咆哮と共に翻る 「築いてきた世界がある! 守ってきたという誇りがある!! 信じてきた正義がある!!! 」 と、同時に30を超える魔力の弾丸を、目の前の男に叩き込む 「だから他人の不幸が愉悦だなんて言う人は許さない! 絶対に負けない!! 」 非殺傷とはいえ、相手の魔力、活動力を削り取るスフィアの直撃 ただの人間ならば、これでKO 耐えられるハズがない――― ………だがしかし、なのはは微塵も構えを崩さない 果たして硝煙の中 何事も無かったように立っているのはヒトのカタチをしたナニカ―― 「思い上がるな 小娘 」 「ッ!?? 」 警戒していたにも関わらず、懐に入られた 刹那の一瞬 神速を超えた躍歩からの頂肘が なのはの鳩尾を穿つ 「あ、 ぐッ !!!?? 」 「日の当たる道しか歩んで来なかった者が 道 を語るな 」 そう、彼は既に人間ではなかった 聖杯の力を得たスカリエッティによって現世に蘇った サーヴァントの如き存在 でありながら、かつて馴染んだアンリマユの力を切り取り スカリエッティの支配をも跳ね除けた魔人 それが今の彼である 「祝福された世界しか知らぬ者が 世界 を語るな 」 「つッッッ! レイジングハートッ! バリアを捨ててBJを強化ッッ 」 重装甲Sランク魔道士の神域の守りは三重の鉄壁 生半可な事では突破出来ない 故に いかな絶技とはいえ、生身の拳が なのはに届く事などあり得ない しかし、目の前のこの男は聖杯の泥の 侵食 を持ってバリアを犯し 八極の内功を持って フィールドとBJの上から、なのはの肉体を削っている 100%には程遠い……80%は威力を殺された打 しかし、その20%で十分なのだ 数分違わず急所に打ち込まれる一撃必殺の絶招、その20%の衝撃が もともと頑健でない、なのはの身体を貫くには十分な威力なのである 「踏み躙られた事もない者が 誇り を語るな 正義の本質も知らぬ者が 正義 を語るな 」 正中線に矢継ぎ早に叩き込まれる殺撃の崩拳 ミリ単位で急所を外すのが精一杯のなのは 「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……は、 、ぅ……」 「偽善の極みだ」 「バインドッッ! 」 捕らえられない 単純な速さならフェイトの方が断然速い 威力ではヴィータに遠く及ばない しかし、彼女は知る 鎧も盾も持たない身で ただひたすらに己の五体のみを鍛え上げた者の技を その踏み込みの鋭さを 「ッッ (距離をッ この間合いはダメッ…) 」 「この期に及んで、まだお前は殺さずに私を退けるつもりか 以前にも、お前のように青臭い正義を語る小僧と戯れたが……」 「ッレイジングハート!! フラッシュム――」 遅い 黒鍵にて逃げ道を塞がれた中 練られた渾身の一撃により 吹き飛ばされ、壁に叩きつけられるなのは 「あうぅっっ!!! 」 「まだ、奴のほうが……救える者と救えない者の分別はあったぞ」 ずる、と崩れ落ちるなのは 視界が定まらず、意識が混濁する かつて悪魔と罵られた事を思い出した 憎しみの 恐れの 感情をぶつけられた事もあった 悲しかった 杖を持つ手が震えた でも感情を殺して耐えた それが皆を救える道だと信じて耐えた 名前を呼んで貰った 嬉しかった 諦めなかった 絶対に諦めなかった そうしたら救えた 嬉しかった どんなに辛くて苦しくても その先に何かを見いだせるのなら 耐えられる ……進めるんだ それが彼女がこの道を選んだ理由 そして全てだった ガムシャラに突き進み、どんな辛い訓練にも耐え、ひたすらに高みを目指して飛んだ そして今 自分はここに立っている ならば―――― この男は何なのだろう 自ら悪を担っておいて何を求めているのか 救いも幸せな未来も 自分の身すら求めずに どんな世界を求めているのか 意識が、崩れ落ちる―――寸前で踏み止まる 息が出来ない 打ち込まれた箇所が痛い 口内から血の味がする だが、男とて無傷ではない あらゆる攻撃を弾き返してきた、なのはのBJを素手で殴り続けているのだ 叩き付けた拳から血が滴っている 「何が、、いけないの…?」 「なに? 」 「全てを救いたい! そう考える事の何がいけないの!!? 」 裂帛の気合と共に、愛杖を振るうなのは 先端のACSが翻り、言峰の身体を薙ごうとするが 「皆が皆、初めから幸せだったわけじゃない 辛い目にあったりキツイ思いをしたり…」 それは空を捕らえるばかり 接近戦における錬度 技術の違いは圧倒的だった それでもなのはは引かない 男の虚無の瞳を見据えて叫ぶ 「でも皆、頑張って幸せな世界を作ろうとしてるんだよ! 誰もが優しい時間の中で過ごせる 誰も傷つけ合わない 争わなくて良い世界を! 」 至近距離でシューター 交わす男 拳打による致命傷 かろうじて外すなのは 魔弾と魔拳の応酬 もはや、それは常人の視認すら許さない域での戦闘 「大事な人のため 守りたいもののためにっ!! 」 「黙れ 」 男は遮る まるで汚泥なるものを見るような目で彼女を一瞥し 「そのような虫唾の走る妄言を、これ以上私に聞かせるな」 「…………… 」 男に初めて、感情のようなモノを見た それは嫌悪 「一つだけ忠告してやろう」 「…………」 「その考えでは世界の半分の人間しか救えない お前の側にいる人間だけだ」 「……」 「お前は自分が、裁かれる側から何と呼ばれているか分かっているのだろう? 管理局の悪魔 法の番犬、、」 ズキンと―――胸が痛む 「分かってる……それでも、例え恨まれても…」 そう続けようとした言葉を―― 「正義を為して、何故悪の称号を携わる? お前はそれに何の疑問も抱かないのか? 貴様に撃たれ 捕らえられ 誇りを失い 首輪を繋がれ 怨嗟の声を上げる者を尻目に――それでも管理局とやらの尖兵になるか…… はたまた 牢に繋がれた不心得者達に 今 貴様が説いたゴミのような説法を得々と聞かせてまわるか……」 更に男に遮られる 「狗の人生だな…」 自分 を 自分の人生 をはっきりと否定される言葉…… 侮蔑に、屈辱に歯を食いしばる いつもの彼女なら、こんな言葉に揺れたりはしない しかし、この男の言葉は 一つ一つが鉄鎖の呪いのようで… 問答無用で薙ぎ払う事がどうしても出来ない 「じゃあ――大事な人が傷つけたり傷ついたり争ったりするのを見過ごせって言うの? 私は……そのための力が欲しかった 子供の頃、身近な人が傷ついても何も出来ない そんな自分が嫌いで………だから――」 思いを喉から搾り出す 目の前の男に負けないように 折れないように 「貴方こそそれだけの力があるのに、どうしてそれを良い事に向けないの!? どれだけの物が救えるか、どれだけの事が出来るか分からないのに」 「争いを無くしたいのなら人間全てを滅ぼす事だ」 「なっ……………… 」 絶句して立ち尽くす 戦闘中だという事も忘れて、呆然と相手の顔を見る 「はっきり言ってやる お前の進む道に未来などない 誰も傷つかなくて良い世界? そんなモノがこの世界のどこにある?」 降り注ぐ言葉はあまりにも無慈悲で、救いがなくて―― 「人は黙っていても殺し合い憎みあう ソレは理想として成立しない 10年……戦場で力を振るい続けても、まだその真理に気づかないとは …………………………そうか」 何かに気づいたように男は笑う 子供が昆虫をカイタイする時のような 純粋で、無垢な残酷さを思わせるそんな表情―― 「お前も、、なのだな……お前も 奴らと一緒か クク……ククク 哀れすぎて笑えるぞ小娘 ようやくこのくだらない茶番に愉悦を感じるようになった」 取り出したる黒鍵は左右6本 悪魔と呼ばれ、正義を為してきた若き英雄 その前に立つのは、道を見失い彷徨った末に 己の本質に辿り着いた本物の純粋悪 「……………そうやって、、ずっと世界を敵に回すつもり?」 「私は世界の敵として生まれた 初めからな」 「やり直せるんだよ……いくらでも なのに、いつまで、、、いつまで続けるつもりなの!」 「死してなお――だ 管理者よ」 「貴方はッ!!!」 桃色の光が周囲を覆い尽くす 高町なのはの最終リミッター 限界を超えた魔力行使 己の肉体を超えた負荷と、魔道士の命である魔力を引き換えにした 一撃必殺の砲殺戦闘モード 「ブラスターモード! リリース!!!!」 その封印が、今解かれる 黒鍵の投擲、と同時に炸裂弾の如き激しさで肉薄しようとする その男の周囲、あらぬ方向から飛来する短剣のような何か 「ぬうっ!?? 」 男の前進を止めたもの それは砲撃魔道士・高町なのはが、クロス~ミドルレンジでの弱点を 克服すべく選んだ、空間制圧の切り札 五門ものビット――― それが縦横無尽に飛び交い、男の動きを制限していく 「悪魔と呼ぶならそれでもいい――」 黒鍵がフィールドに阻まれ力なく堕ちる 仁王立ちに構えるなのは、男に対し かつてない闘志を奮い立たせ…… 「私の中の 悪魔 が―― この世全ての悪 を、、、薙ぎ払ってあげる!!」 剥き出しの感情で吼えた……ケモノのように なのはを知る者が、今の彼女を見て それがなのはだと信じられるだろうか ここまで感情をあらわにした事など、、彼女自身の人生の中でも数えるほど 男も感じている もはや、眼前の敵に気後れなどない 受けた傷を 痛んだ身体を まるで意に返さぬ その威圧感 その、並のサーヴァントを凌駕し兼ねない 強大な魔力の塊を前にして―― 「そうだ 殺すつもりで来い その力で私の存在を否定して見せよ! 最早、双方の死を以って以外に決着はあり得ないのだから」 男は嘲う 壮絶に 「殺さないよ………貴方の思い通りにはならない ―――でも………」 弾けたように飛ぶのは男 敵の中心線を穿つ 狙うはそれだけ 「かなり痛いから覚悟してッ!!!!」 対してなのはも下がる気はない 八極の震脚じみた踏み足で地面を噛み、迎え撃つ 誰も気づかない なのはの目からこぼれた、一筋の涙、その意味 それは決して相容れない者との邂逅による絶望か 不甲斐無さか 今は分かり合えないのかも知れない 恐らくは自分よりも遥かに多くの物を見、聞き そして今に至ってきたであろうこの男 そんな男と自分とでは、今の段階では話をする事さえ出来ない でも、負けてしまえば救えない 折れてしまえば全てが終わる それは変わらないのだと自分に言い聞かせ 「エクセリオン・ ・ ・ ・ ・ ・バスタァァァ!!!!!!」 全力全開の砲撃を男に放つ 戦いはまだ、始まったばかりである 小ネタへ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/440.html
ルールを守って楽しくデュエルしよう! 今までこんなに手数の多い魔術師とは交戦した事は無かった。 眼前の少年は使い魔を巧みに使い、バインドや自動追尾の呪文を回避する。 幸いヴォルケンリッターのように高度な知性や強さは無いが、数が多いのだ。 いくら倒しても新しい使い間を召還する。今まで倒した使い魔の数は12匹、全て異なる容姿と能力を持っていた。 それに加え妨害や攻撃、使い魔の強化といった呪文も使用する。 「これで13種類の呪文と12匹の使い魔・・・手数が多すぎで流石に疲れちゃうかな」 さすがに膨大な魔力量を持つなのはでも消耗戦は避けられなかった。 だが勝機はある、少年のデバイスはカードを読み込ませて発動させるらしく、 デバイスにセットされているカードは半分近く減っていた。 「俺の手数を数えてるなんてよく見てるな。そうだなこれで俺の手札は半分を切った、俺の手札が無くなればあんたの勝ちだ」 「・・・!?」 少年は自ら弱点を言ったのだ、だがその眼は全く勝利を諦めていなかった。 「今度の使い間は一味違うぜ・・・あんたと同じ魔術師だからな」 少年は勝負に出る気を感じたなのははレイジングハート変形させる、勝つには大出力の魔術で一気に攻撃するしかない! 「待たせたな・・・マハード!お前の力を見せてやれ!」 ちゃ~ちゃららっら♪ちゃらっららら~♪ ヽ(`Д´)ノHA☆NA☆SE 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
https://w.atwiki.jp/nanohahearts/pages/123.html
赤い文字 話リンク ・ストーリー ・内容 炎と炎 アリサとアリスト Fの季節の血戦 とらわれのなのは なのはの恋路……そしてディアブロの過去 その2
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/438.html
ユーノがなのはと一緒に風呂に入ったことがあると聞いてアテムまじギレ アテム「覚悟しろよ、この淫獣野郎!」 ユーノ「な、何で怒ってるのさ!?」 アテム「ドロー!モンスターカード!」 デーモンの召還 ユーノ「うわあああ!」 アテム「ドロー!モンスターカード!」 カースオブドラゴン 淫獣 「ああああ!」 アテム「ドr(以下略 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1118.html
黒い宵闇の中、岩場を歩く白い人影が1人。 栗色の髪をツインテールにし、右手には桃色と金で塗られた、魔導師の杖。 防護服・バリアジャケットを身につけたまま、その女は手頃な石に腰かけた。 「…はぁ、はぁ…はぁ…」 ずっと歩き詰めだったのか、女の息は荒い。 女はそんな息を整えると、1人夜空を仰ぎ見る。 いくつもの星々。そしてその中でも一際目立つ、異様なまでに巨大な彗星。 (どれだけ経ったんだろう…) 女は思う。 この奇妙な世界に飛ばされ、帰る手立てもなく、仲間達ともはぐれた、1人の旅。 いつになったら皆と再会できるのだろう。いつになったら帰れるのだろう。 否。 果たして皆に会った時、自分は彼らと共に歩めるだろうか。果たして帰る機会が生まれた時、自分はそのまま帰れるだろうか。 (…できるはずないか…) 今の自分に、ぬけぬけと仲間達の隣に立つことはできそうにない。 今の自分に、ぬけぬけと皆の待つ世界へ帰ることはできそうにない。 何故なら、 「――何だ、お前?」 「っ!?」 いつ頃からそこにいたのだろうか、女の目の前には、1体の悪魔が現れていた。 ミストデーモン。攻撃力2400の上級モンスター。 「見たところ魔法使いみたいだが、見慣れねぇ顔だな…」 漆黒のデーモンは、爛々と輝く赤い目で、女の顔を覗き込む。 (このモンスター、パッと見ではかなり強そうだけど…) ただでは逃れられないと悟った女は、反射的に相手の力量を計る。 そしてその瞬間、「しまった」、と思った。 しかし、そう後悔した時には、既に遅かった。 「お前、ひょっとするとデュエリストじゃないだ…」 「ねぇ」 女の声が、ミストデーモンの詰問を遮る。 「あん?」 不意に話しかけてきた女に対し、ミストデーモンは不満気な声を上げる。 目の前の女からは、いつの間にか、先ほど空を見ていた時までの物憂げな表情が消えていた。 その代わり、淡々と相手を見定めるような無感情な視線と、冷酷な冷たい微笑みが貼り付いていた。 「貴方、強いの?」 その顔には、「虐」の一文字が赤々と輝いていた。 「何だ急に?」 いきなり訳の分からないことを尋ねられ、ミストデーモンは逆にその意味を問う。 相手の豹変は特に気に留めていないようだ。もとより今会ったばかりの人間の変化など、分かるはずもない。 「言葉通りだよ。私は貴方が強いかどうか、それが知りたいの。ねぇ…貴方は強い? 弱い?」 対する女は、手にした杖を槍のような形に変え、その穂先を悪魔に向ける。 「ヒャハハハハ! 見くびるなよ! 俺は覇王軍でも指折りの悪魔だぜ」 敵対の意志ありと判断したミストデーモンは下品な笑い声を上げると、その太い腕を持ち上げる。 「少なくとも、お前みたいな細っこい女1人へし折るぐらいはわけな…」 「…そう」 閃光が走った。 轟音と共に、ミストデーモンの腕が吹き飛ばされる。 「ギ…ギャアアアアアアッ!」 直後に襲ってきた激痛に、ミストデーモンはその身をよじらせた。 「なんだ、それぐらいか…じゃあ…」 相手の底が見えた瞬間、女の品定めをするかのような目に、嗜虐的な光が宿る。 「好き放題いたぶらせてもらうね」 邪悪な笑みを浮かべ、女は杖から、尚も砲撃魔法の光を放った。 黒い悪魔が原型も分からぬ形までその身を崩され、命の消えた身体が自壊した後、女は杖を元の姿に戻す。 「…ぷっ…くくく…」 そして、不意に口元を歪ませ、そこから抑えた笑い声が漏れたかと思うと、先ほど見上げた夜空に向かい、思いっきりその口を開いた。 「…あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」 白いバリアジャケットの女は、狂ったように笑い出す。 加虐心を満たしたのか、その美しい顔から、「虐」の文字がすっと消えた。 「あはははははははははははははははははははは! あははははははははははははははははははははははははははは!」 女の頬を涙が伝ったのは、それが消えた直後だった。 それでも女はそれを拭うこともなく、ひたすらに声を上げ続ける。 「あはははははははははははは! 私…またやっちゃったよ! あはははははははははははははははははははははははははははははは!」 狂喜の声は、いつしか悲しい笑いに変わっていた。 ひとしきり笑い終え、落ち着いた女は、元の石へと座り込んだ。 「………」 しばらくの間、女は無言だったが、再びその目に涙が込み上げてくる。 「…くっ…うう…っ…」 抑えた嗚咽が、無音の闇の中に溶け込んでいった。 こんな自分に、一体何が望めようか。 誰か敵に会う度に、感情が爆発する。 強ければ強いほど、戦いを楽しみたくて仕方なくなる。弱ければ弱いほど、虐殺を楽しみたくて仕方なくなる。 「う…ぁ…あああああああああ…っ…!」 遂に堪えきれず、女は思いっきり泣き出した。 こんな自分が、仲間達と共にいられるものか。こんな自分が、元の世界に帰れるものか。 (こんな私が…) 高町なのはを名乗れるものか。 やがて女――なのはは、笑い疲れたのか泣き疲れたのか、そのままゆっくりとまどろんでいった。 明くる日も、なのはは1人だった。 暗い空の下を、1人歩いていた。 今のなのはにできることは、せいぜいそれぐらいだった。 と、不意に上空から、巨大な羽音が鳴った。 「!」 降りてきたのは、金の身体を持つ異形の竜・カース・オブ・ドラゴン。 そして、その背中に跨がっていたのは… (覇王…十代君…) 一目で理解できた。豪華な彫金の施された漆黒の鎧に、背中に羽織った見事な赤いマント。 何より、見知った少年の冷たい瞳が、その存在を物語っていた。 「お前か。我が兵士を次々と殺しているのは」 十代の言葉には何の感情もない。伝わるのは、覇王の覇王たる所以――圧倒的な闘気のみ。 なのはの身が震える。 そこらの低俗なモンスターとは明らかに異なる、高潔かつ絶対的な力。 戦いたい。 胸が疼く。 戦って試したい。 なのはの心が叫ぶ。 自分の攻撃にどう応えるのか、それを見てみたい。 その冷徹なまでの自信を、完膚なきまでに叩き壊してやりたい。 (駄目…) 仲間だった十代を嬉々として手にかけるなど、なのはには到底許せることではなかった。 なのは必死に己の内なる激情と戦い、抑え込もうとする。 戦いたい。 (駄目…!) 戦わせろ。 (駄目、駄目、駄目…ッ!) しかし、そんな抵抗など無意味だ。 闘争を求める負の心は本能。闘争を抑える正の心は理性。 どちらが強いかは明らかだ。何より、抑えられるのなら、今まで苦労していない。 「…ねぇ」 あの声が響いた。 冷たく、相手に問いかける、あの声が。 「虐」の一文字が、冷酷な笑顔に貼り付いた。 「貴方…強いの?」 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ